From Factory

2011.02.15

工程

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お客様の希望により、家具が出来上がる工程をかいつまんで写真に納めて
何通かに分けてメールで送りました。

あらためて写真と文章にして、工程を説明すると我ながら「大変というか、
面倒というか、手間かかってるなぁ・・・」と感じました。
手前味噌ですが(笑)。

今後こんな風に製作途中の写真をお送りするサービスも良いかも知れません。
自分の家具が生まれて序々に形になる場面を見られるなんて、面白がっても
らえるし今回は感動すらしてしていただけました。

お客様に感動していただけると、冥利に尽きます。
作る苦労なんてみんな同じなんだから表にだすもんじゃない、なんて言わず
この辺はもっとアピールするとお互いに嬉しさを共有できるかも知れません。

毎回ちがう物を作る我等オーダー家具職人は、毎回違う家具を作るので、
毎回違う工程を踏んでいます。
その工程時間=工賃としてお金をいただく部分な訳ですが、自分の能力を過信
しているためか予想よりも時間がかかる事が大抵です。
しかしあらかじめ決めた価格に後から上乗せなんて出来ませんし、しようとも
思いません。

「ここをちょっと違う新しい形にする」と口で言うのは簡単なんですが、もの作りの
現場ではその一言で丸一日工程が増えたりすることも珍しくないんです。
「ほんのちょっと、ここをこうして」という些細なことでも。
"実物のモノ作り"の世界では、技術的チャレンジ、は時間=費用と作業上の肉
体的危険(怪我)を伴います。
絆創膏や湿布で済むものは怪我の勘定に入りません。血が出たら、痛がるより
先に商品である家具に付かないようにするのが家具職人です。
これはなかなか理解してもらえない部分なんですが・・・。
しかしそうやって前に進みます。

オーダー家具の値段はなぜ割高になるのか?はおそらく禁断の話題(笑)かも
知れませんがその価格の構成をそのうち簡単にご説明したいと思っています。
すごく納得していただけると思います。
その上で「欲しくてたまらないからオーダーしたい」と感じていただけるよう、
作り手・売り手として努力しています。


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話しがそれましたが、本日分の工程はクリア出来ませんでした。
急げば簡単にクリア出来たのですが、急いで終わらせることは大事なことでは
ありません。
商社でサラリーマンをしていた僕が、家具製造という「実業」に就いた訳にも
つながります。
今の自分の根っことなる部分です。

22時過ぎに工房を後にして、帰りがけに家具仲間の大里さん の工房に寄ってみると、
いつも通り服や手を真っ黒にして寒い夜遅くまで仕事してました。
同い年なんですが、「身を粉にして働く」を体現している人です。

頑張ってる仲間が身近にいるから、自分も頑張れます。
ぬるま湯みたいなチャラい世界には興味ありません。

帰りの車中、頭の中に流れるのはジョン・レノンの"Working Class Hero"


「労働者階級の英雄こそが目指すべきもの」

 
 

「あ」


 
 

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