期待
「お待たせして済みません。」 納品後にお客様に言うと
「この家具で部屋が完成しました!」とニッコリとおっしゃいました。
ジグソーパズルの最後のワンピースみたいに。
真新しいマンションの海が一望できるリビングで、アズクラのTVボードとローテーブルが
最後のピースでした。
新しい生活を始めるときに、新しい家具を買う。希望と期待を込めて。
僕が作る物に、すごく期待されていると感じます。
期待以上、戴いたお金以上の価値を提供出来ているか?
いつもいつも気になって仕方ない部分です。
ささいな言葉がゆっくり心に降りてきて、ものすごく励みになります。
「あ」
道具
玄翁(げんのう)の柄の部分を交換しました。
玄翁とは「かなづち」のことで、それを考案した和尚さんの名前からそう呼ぶように
なったそうです。
僕が主につかっている玄翁は、多分50年くらい前のもの。
そんな古い貴重なものを、ポイっと新しいものに交換することは、生理的に抵抗感が
あったのですが(個人的に)、割れがひどく使いにくくなってきたことと、
ノミを使う細かい作業が続くこともあり、新たな柄をせっせと削り出しました。
また50年くらい、行けるかな?
「あ」
久々に
久しぶりに定番商品の丸スツールを作ってます。
座面の高さ45cmのものが、随分長い間欠品となってました。トホホです。
もう3カ月以上もお待ちいただいているお客様もいらっしゃって、すっかり
ご厚意に甘えてしまっておりました。
そんなに待たせるなんて、なんだか芸術家・作家みたいな気でいるんでは?
と思われるかも知れませんが、まったくそんな気はありません。
お客さんの需要に応える物を作る、単なる一介の職人です。
かといって金になれば何でも作るか?と言われれば、それは絶対に「No」です。
やせがまんだろうが何だろうが、です。
「なんだかなー」という声が聞こえそう・・・。
自分がやたら面倒くさい人に思えてきます。
さておき、明日の休みは遊ぶぞー!!!
「あ」
手作りのできたて
家族ぐるみで仲良くしているお友達の家に遊びに行った時、手作りパンを
焼いてくれました。
いろいろ食べた後に焼きあがったのですが、とてもおいしくて1斤あっという間に
なくなってしまいました。
「焼き立てパン、また食べたい・・・。」
その気持ちがおさまらず、その後私も手作りパンに挑戦!
ただし、パン焼き機がないので炊飯器で挑戦!
1度失敗しましたが、「2回目の正直(?)」、2度目でおいしく焼けました。
やっぱり、手作りのできたてはいいですね。
香りに、温かさに、気持ちが駆け上がります!
* * * * * *
パンではありませんが、AS.CRAFTも「手作りのできたて家具」をお届けする店。
お待ちいただいているお客様に、そんなワクワクする思いを届けられたら私たちも
幸せです。
木の香り、塗りたての天然オイルの艶、そして、使い込みながら木が日焼けしたり、
小さな傷が付いたりといった「できたて」からの変化を長く楽しんでもらえたらと
思っています。
「さ」
深い河ほど静かに流れる
写真は、「自動鉋(かんな)盤」という機械の刃を取り換えているところです。
堅い木を削るので、うちではひと月に一度、刃を交換して研ぎに出します。
切れなくなってきた刃物での作業は、騒音が大きくて仕上がりも悪く、
危険度も増えます。
切れる刃物は、静かーで仕上がりも綺麗で安全に作業が出来ます。
「歯が立たない」という言葉がありますが、切れない道具だと「刃が立たない」
という感じで、堅い木を相手に仕事が出来ません。
仕事が出来る人ほど、静かにさりげなくサクッとこなすものですしねー。
若い頃はがむしゃら感を出したかったんですが、最近はスマート感を出したく
なってきたこの頃です。いい歳だし。。。
さて、無垢材と梅雨時・雨の日は相性が悪いので、晴れてるうちにサクサクッと
進めます。
「あ」