From Factory

2010.11.29

つながっている感じ

tatemonoenn.jpg


都立小金井公園の一角にある江戸東京たてもの園は、僕の好きな場所です。

広々とした敷地に、江戸時代から昭和初期にかけての歴史的建造物
もっぱら個人邸が多く移築・保存されています。

アメリカの影響か、常に新しく便利で豪華なものを求めているように
思える現代日本(や東南アジア)。
少し前の流行モノは、「恥ずかしい」とされてしまう日本の文化。
そういう面は、僕はちょっと疲れます・・・。

この公園に来ると、過去からのつながりが体感できることが嬉しい。

流行りすたりに関係ないもの、普遍性を実感したい時にはお勧めの場所です。


 
  

「あ」

 
 


2010.11.21

秋深し

%8B%E2%88%C7.jpg

どっぷりと、秋です。 直球ストライクの秋。

%8B%E2%88%C72.jpg


「あ」


2010.11.16

冬支度

bee.jpg

しばらく秋晴れの良いお天気が続いていましたが、昨日は夕方から
久しぶりに雨。

空気が乾燥しているなあと最近肌で(…)感じておりましたので、
ちょうど良いお湿りになるかな何て思っていたら、
雨と一緒に気温もぐんぐん下がり、真冬のような冷たい雨になりました。

眠る時は毛布を1枚増やし、今朝も空気がピリッと冷えていました。

工房に出勤しドアを開けると、「OPEN/CLOSE」の札に1匹の蜂が。
南向き硝子戸の内側は、きっとぬくぬくと暖かかったのだと思います。

酷暑から真冬へと街中の虫やネコたちも、大変だなあと思いつつ、
私も冬に向けて体を整えていかなくてはと感じました。

まずは、温かいものをバランス良く食べ、
    まめに体を動かし、
    夜更かしなどしないこと。

そんなところからコツコツ頑張ってみることにします。
(特に3つ目の「夜更かし・・・」が苦手です。)
  
  
「さ」
  
  

2010.11.13

塗装前

_MG_8608-1.jpg


うちのオリジナルシリーズ・タモテーブルをサイズ変更したものです。

”オリジナル”なんて表記はおこがましいと、ずっと前から感じてます。
しかし、「うちの定番商品ですよ、一からデザインを起こしたオーダー品ではないですよ」
と分かりやすくするため、便宜上そのような表現をしております。

事実、これ以上シンプルな形のテーブルはないと思います。
デザインも何もなく、ただ四角い。

ただ四角いこのテーブル。塗装前のこの白っぽい感じが結構好きです。

オイル塗装などは、木の色味が濡れたように深くなって木目を浮かび上がらせるのですが
その塗装前(お化粧前)のこのあまり表情が出ていない状態もとても綺麗です。
ソープフィニッシュも検討したいところですが、これは実際に使う人にまめなメンテナンス
を要求する仕上げです。
要は面倒な家具になってしまう訳ですが、それはそれで特別なものを味わってもらえる
のかも知れません。

まだ自分の家の家具としてソープフィニッシュを使ってみていないので、近いうちにそうし
てみようと思います。

 

「あ」

 

2010.11.06

椅子の修理

arcol1.jpg


家具修理は大抵の場合、割に合わず赤字仕事になります。

しかし持ち主の思い入れが強かったり、また修理をすることでこちらの勉強になったり、
何より古い家具が魅力的だったりするので、出来るだけお引き受けするようにしています。

こちらの椅子はその3つの要件すべてを満たす、とても心ときめく修理のご依頼です。

「製作予定の合間に修理でよければ」というこちらの我ままを聞いていただいて、
お預かりしてから約ひと月の本日から解体修理が始まっています。


ercol2.jpg


色艶といい、フォルムといい、とても素敵だなぁと思いつつ裏を見るとイギリス
アーコール社製のものでした。さすがな感じです。

解体していると、おじいちゃんのような優しい匂いが工房に立ち込めてきます。
使っていた人たちの念のようなものでしょうか?(笑)
僕は僕なりに、気を入れて、念には念を入れて仕事をします。

「へー、こんなやり方もあるんだなー」などとある種の対話を楽しんでいます。
注意して見ると、何度かの修理も経てきているようです。


時を経て、色々な主(あるじ)に使われた家具をまた僕の手で修理させていただく、
なんとも楽しい時間です。


   Y様、大変お待たせして済みませんが、もうじきお届けに伺います!
 


「あ」

 
 


2010.11.05

日本のモノつくり

IMG_8498-1.jpg


今日も新木場に仕入れへ。

来月分の依頼もある程度仕様の目安がついているものは、その材を購入し、
今年はあと一度くらい来るか来ないか、といったところです。

どうも最近良い材木が減っている気がしていて、尊敬する木工家の方々からも
同じ意見が聞かれます。それを材木屋さんに尋ねてみると、その背景には
中国の経済的な台頭があるそうです。

これは輸入材に関してですが、これまで日本は節や白太などを避けた部分、
マグロに例えればトロの部分ばかりを選んで輸入していたそうです。
それが今や経済的に裕福になりつつある中国が、トロも赤身も尻尾の先も
関係なく丸ごと、節や暴れや割れも関係なく全部買って行くのです。
同じ値段であるならば、売る側としては当然悪い部分も一緒にまるごと
買ってくれる方に売るのが道理です。
そしてこれまで我侭のツケもあり、日本にはその売れ残りとなった材しか
回ってこない・・
なんとも、僕ら国内の家具メーカーにとっては切実な問題です。

節や木目の暴れがあるのが良い悪い、と言った議論も含め、木製品に対しての
転換期が来ていると改めて感じました。

安い輸入品と、価格面では争えません。

良い輸入木材も手に入りにくくなって来たというこの頃ですが、
これまでもそうだったように、面倒でも相談してオーダーする価値のある家具を
届けられなければ、僕ら日本のオーダー家具職人には存在意義がないのです。
着地点はそこにしかありません。

価値あるものは残り、そうでないものは淘汰されるだけのこと。

帰りの車中で東京湾越しの西日を浴びながら、日本のモノつくりやらAS.CRAFT
の行く先やらをぼんやり考えました。

 


「あ」
 
  


PAGETOP