From Factory

2010.11.05

日本のモノつくり

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今日も新木場に仕入れへ。

来月分の依頼もある程度仕様の目安がついているものは、その材を購入し、
今年はあと一度くらい来るか来ないか、といったところです。

どうも最近良い材木が減っている気がしていて、尊敬する木工家の方々からも
同じ意見が聞かれます。それを材木屋さんに尋ねてみると、その背景には
中国の経済的な台頭があるそうです。

これは輸入材に関してですが、これまで日本は節や白太などを避けた部分、
マグロに例えればトロの部分ばかりを選んで輸入していたそうです。
それが今や経済的に裕福になりつつある中国が、トロも赤身も尻尾の先も
関係なく丸ごと、節や暴れや割れも関係なく全部買って行くのです。
同じ値段であるならば、売る側としては当然悪い部分も一緒にまるごと
買ってくれる方に売るのが道理です。
そしてこれまで我侭のツケもあり、日本にはその売れ残りとなった材しか
回ってこない・・
なんとも、僕ら国内の家具メーカーにとっては切実な問題です。

節や木目の暴れがあるのが良い悪い、と言った議論も含め、木製品に対しての
転換期が来ていると改めて感じました。

安い輸入品と、価格面では争えません。

良い輸入木材も手に入りにくくなって来たというこの頃ですが、
これまでもそうだったように、面倒でも相談してオーダーする価値のある家具を
届けられなければ、僕ら日本のオーダー家具職人には存在意義がないのです。
着地点はそこにしかありません。

価値あるものは残り、そうでないものは淘汰されるだけのこと。

帰りの車中で東京湾越しの西日を浴びながら、日本のモノつくりやらAS.CRAFT
の行く先やらをぼんやり考えました。

 


「あ」
 
  


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