2010.11.06
椅子の修理
家具修理は大抵の場合、割に合わず赤字仕事になります。
しかし持ち主の思い入れが強かったり、また修理をすることでこちらの勉強になったり、
何より古い家具が魅力的だったりするので、出来るだけお引き受けするようにしています。
こちらの椅子はその3つの要件すべてを満たす、とても心ときめく修理のご依頼です。
「製作予定の合間に修理でよければ」というこちらの我ままを聞いていただいて、
お預かりしてから約ひと月の本日から解体修理が始まっています。
色艶といい、フォルムといい、とても素敵だなぁと思いつつ裏を見るとイギリス
アーコール社製のものでした。さすがな感じです。
解体していると、おじいちゃんのような優しい匂いが工房に立ち込めてきます。
使っていた人たちの念のようなものでしょうか?(笑)
僕は僕なりに、気を入れて、念には念を入れて仕事をします。
「へー、こんなやり方もあるんだなー」などとある種の対話を楽しんでいます。
注意して見ると、何度かの修理も経てきているようです。
時を経て、色々な主(あるじ)に使われた家具をまた僕の手で修理させていただく、
なんとも楽しい時間です。
Y様、大変お待たせして済みませんが、もうじきお届けに伺います!
「あ」