玄関に置くコンソールテーブルの脚です。

向こうとこちらで脚の長さが違うのは、玄関の土間と上がり框をまたいで
置かれるため。

細いパーツを組み合わせて、不安定なイメージを狙っています。

不安定さは、”女性らしさ”のような気がします。個人的な偏見かも知れませんが。

脚の形状や角度を最終的に決めるまで、ちょっと迷いもありました。
カタチが出来上がると、「これだ！」と思えたのでとても嬉しいです。
用途や予算から最適な組み合わせを選びとっていくのは、苦しい部分でもあります。

でもこれが実際にお客さんの玄関にすっと馴染んだり、または控え目にでもその空間を
特別なものにしてくれたら、と考えながらいよいよ最終工程に入ります。

せっかくのオーダー家具ですから、何かしら「特別」なものは必要なのです。
　

引出しの口板に使う木の表面を濡らして、その木目を見ています。
濡らすことでオイル塗装後の表情を確認して、どの部分を使うかを決めるためです。

今回は実際に使用する材料の3倍弱の中から一部を取り出します。
（もちろん余ったものは適所に使用します。）

それは写真を撮る時のような、風景を切り取る作業に似ているかも知れません。

何かを選び取って大事にして、他をあきらめて進む・・・そこにテーマがあります。

「あ」