From Factory

2009.07.10

プラス 何か

_MG_2178.JPG


製作中のものに、ときどき 「いいねぇ、きれいだなぁ」 と
見とれることがある。

たとえば、引き出しがたくさん納まる構造を作る時。

たくさんの引き出しがきっちりと納まるべく、たくさんの枠を
正確に作る。
そこにきりりとした緊張感が生まれる。
だけど木という材料からは、自然素材であるが故のネジレや歪み
などの不均一でアンバランスな印象を無意識に与えられる。

不均一な素材で、寸分違わぬようなカタチを作ってみると、
その不思議なバランスに

「いいなぁ、これ」

と思わされる。

男性的な印象の樹種-たとえばオーク-を、女性的な形で仕上げてやると、
中性的で不思議な家具になったりもする。
その逆もまた然り。

そういう微妙なアンバランスが、面白味のある惹かれるモノを
生み出すひとつの要素になると思う。

パッと見ではわからない何か。
何故だか気になる雰囲気だったり、余白だったり、匂いを持つ
家具が生まれる。

図面を引いた時にはわからない場面。
現物を前にして、そんな瞬間に ニヤリ としていたりしています。


 
 


「あ」
 
 
 
 
 

PAGETOP