From Factory

2015.10.30

両親と

先日、職人さんを一人残して、私の父母と小旅行をしてきました。
  
  
私の母は、昨年の春に脳梗塞を発症し、半年ほどの入院を経て
一年前に家に帰ってきました。

体の調子はほぼ良くなりましたが、認知症が進み、心身に
若干の障害をもっての帰宅となりました。

私の家の近くで、難聴の父との二人暮らし。
私と職人さんとでサポートし、諸々の介護サービスも利用しながら、
頑張って二人で生活を続けています。


そんな中、母の誕生日のお祝いに父が誘ってくれたバス旅行。

これは大変な旅になるぞ(!)とも思いましたが、覚悟を決めて
行ってきました。
  
  
朝食のお弁当を持っていったら、ツアーで用意してくださっていたり、
(これは、申し込みの際に口頭で説明があったのですが、父には
 それが聞きとれなかったのです・・・)

時間間隔がわからなくなってしまった母が、出発した途端に
「もう帰ろうか」と言い出してしまったり、

少し薄暗い照明の、落ち着きある雰囲気のお風呂を怖がって、
せっかくの温泉にほとんど浸かることができなかったり、

いつも一緒の父が、少しの間一人離れて見学をしていると
不安になって怒りだしてしまったりと、

いろいろ色々・・・ありました。
  
  
でも、一緒にツアーに参加した皆さん(中高年の方がほとんど)が
とにかく優しかった。

ご自身もお疲れでしょうに、ベンチを譲ってくださったり、

トイレの順番を先にしてくださったり、

工程について行ききれず、我々家族だけまるで自由行動。
皆さんから離れたり戻ったりするのも、にこやかに
見守ってくださったり。

  
もう、ちょっとツアーの旅行は厳しいなと思いかけていたところに、

「それでいいのよ!」
「みんな順番、大丈夫よ!」
「自信もってね!」

私にまでも労いの言葉をかけてくださり、涙が出ました。
バスを降りるときも、たくさんエールをいただきました。

温泉に浸かれなくっても、心がポカポカに温まる旅となりました。
  
  
  
何とか無事に帰宅。
父も母も疲れ切っているのではと思いましたが、

母は、デイサービスにお土産を持っていかれるのを楽しみに
すやすや眠り、

父は、母の手を取って寝かしつけてあげてから、
いつものペースでプロ野球観戦。

そんな二人を見て、ちょっとくらい無理しても人生楽しまなくっちゃ
いけないなと実感しました。

 
ツアー参加の皆様に心より感謝。

そして、快く「行っておいで」と背中を押してくれ、
留守番して仕事と猫の世話をやってくれた職人さんにも感謝。。
  

自分もあったかい人になりたいなと思いました。
   
  
  
  
↓数年前のスリーショット
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「さ」

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